中国語の種類・方言について

世界で12億の話者数を誇る中国語には、多くの方言(地方語)があります。
ところでこの「方言」ですが、私たちが一般的に思い浮かべるような方言とはかなり異なります。
何しろ、ものによっては発音・文法・語彙・文字すらも違うものが使われるため、別の種類の言語といってもいい程です。

中国語にはどんな種類の方言があるのか、共通語として使われているのはどこの方言なのか、今回はその辺りを解説していきます。

中国語における方言の種類

北京語(ペキン語)

中国の首都北京で話されている方言です。
一般的にはこれが中国の標準語になっています。

ただ、「普通話」「国語」「華語」と呼ばれる現代標準中国語では北京の発音が基本とされているのですが、必ずしも「普通話=北京語」とは言い切れないのがややこしいところです。
・北京の発音を基にした普通話=共通語
・北京の街角で実際に話されている日常語=北京語(方言)
という図式になり、日本でいうところの標準語と東京弁(江戸弁)のような関係だと思っていただければ近いでしょう。

ここではとりあえず「北京語=標準語」とざっくり捉えるくらいで十分です。

広東語(カントン語)

香港、マカオ、中国の広東・広西を中心とした地域で使用されている方言です。
香港においてはテレビ・ラジオ等のメディアで使用される公用言語となっています。
歴史的な背景により、英語からの借用語が多いのが特徴です。

北京語とは文法・発音・語彙が大きく異なり、別の独立言語とすら言えます。
発音ひとつ取っても、四声で有名な北京語の声調は4種類ですが、広東語の声調は6種類(分類によっては9種類)もあります。

これだけ標準語と違うと学習する際に音を上げてしまいそうですが、中国語の多様性が見られる一つの好例とも言えますね。

上海語(シャンハイ語)

言わずと知れた中国の大都市上海で使われている方言です。
分類上は「呉方言」と呼ばれる方言に属しており、昔は圧倒的に話者数も多かったのですが、近年ではその地位が衰えてきているようです。

福建語(ふっけん語)

浙江省南部、広東省東部及び西部、海南省で話されている方言の総称です。
台湾で話される台湾語もここに属します。

「河を越えれば言葉が通じない」「車で1時間走ったら言葉が通じない」と評されるほど中国語の中でも方言差が激しい方言群です。

かつては福建出身の華僑が圧倒的に多かったため「華僑が話す言葉」はほぼ福建語でした。
現在は広東系華僑・上海系華僑が増えているため、一時期ほどの勢いはないようです。

客家語(ハッカ語)

最も古代漢語に近い方言といわれており、そのため客家語話者は「最も正当性のある言語である」と自負しているようです。
広東省東部、福建省西部、江西省南部の山間部で話されている他、海外の華人や華僑にも話者が多いのが特徴です。

その他

天津語、東北語、西安語、南昌語、長沙語など、小さいものまで含めると数え切れない程の方言が中国には存在します。
今回挙げたのはその一部に過ぎません。

まとめ:多様な中国語

世界の8人に1人が話すことば、中国語。

話者数が中国語の12分の1に満たない日本語ですらも、薩摩方言や琉球弁など「標準語とは違いすぎてもはや別言語」と呼べる方言が多く存在します。

ならばこれだけ規模の大きい中国語が複雑多様な「方言」を多く持つのも、疑問にはなりません。

それはともかく、中国語の勉強を始めるならやはり普通語(標準語)から地道に学んでいくのが効率的ですね。